つまがたり

どうでもいいことを、あーでもないこーでもないと大真面目に。2児の母が、悩みながら考えたことをつづりつつ、どうにか前に進もうとするひとり語りブログです。

あなたはそんなことをされていい人間じゃない

幼稚園から帰宅した娘が、目に涙を溜めていた。

聞くと、

「アカネちゃん(仮)が、

『シンデレラごっこしよう。私がシンデレラね。マイちゃん(娘)は王子様ね』

と言ってきた」

ということらしい。

 

おお…。

プリンセス好きとして、

シンデレラ役はやりたいけど、

王子様役はやりたくないよね。

王子様役の練習したことないしね。

 

咄嗟に、

「アカネちゃん、妹がいるから…いつも妹に王子様やってもらって、シンデレラごっこしているのかもしれないね」

と私は言ったけど、

娘は、

「でも妹は女の子だよね…?」

 

そうだった。

物心つかない妹がいる場合は、姉がシンデレラ役をやり、妹が王子役を押し付けられがちなことを肯定するような発言だった。反省。

 

幼稚園時代にされて嫌だったことを母に今さら告白した

私には、「幼稚園」にされて嫌だったことが、(現在思い出せるもので)2つある。

先日、母親に、ものすごい遅ればせながらのカミングアウト。

「こんなことがあったんだけど、幼稚園時代の私は言ってなかったでしょう?」と、

きわめて今さらながらの告白をしてみた。

 

母の反応は、

「そういうことって、誰にでもあるわよね」

「そういうことを通して、学んでいくのよね」

「あの(麦茶事件の)先生の被害にあった園児は多いみたいよ」

というものだった。

 

そうだった、母はそういう人だった。

 

成長の過程で、私も何度言われただろう、

「じゃあ、あなたは完璧な人間なのか?」と。

そう言われて二の句が継げる人が、いったいどれだけいるだろう。

 

たぶん、母という人の、ものごとの乗り越え方がそうなのだと思う。

納得いかないこと、嫌なこと、悔しいことが起こったときに、

母はいつも矛先を内側に向けて、自分を変えていく方に向けることで、

乗り越えてきたんだと思う。

だから母はとても強い。

 

でも私が求めているのはそうではなくて、

共感で代弁なのだけど。

 

家庭で得られないそれらを、高校、大学時代の友人たちがくれ続けたことは、

私のこれまでの人生で起こった「よいこと」の代表的なものだと思ってる。

 

私も年をとったので、それなりによくわかるつもりなのである。

誰かが、自分の望まないことをしてくることなんて、しょっちゅう。

学校で、職場で、家庭で、公共の場で、あらゆる場所で、

誰かのしたこと、言ったことに私は傷ついたし、

別にそれは私だけじゃなくてみんなそう、そういうシステム。

 

そのたびにへこたれるわけにいかないから、

それを成長の機会にしてほしいから、

母は私に「じゃあ自分は完璧な人間なのか?」と問い続けるカードを渡したのかもしれない。

 

でも私は、娘が何か嫌な目に遭ったら、

「あなたは完璧な人間なのか?」と問うことはしないと思う。

 

だってそれって、

娘が嫌な目に遭うことを、一度は肯定することにならないだろうか。

社会がそういうシステムだからといって、それでいいのか?

私はいやだ。

 

誰かのしたことや言ったことに傷つけられることは、

ありふれてはいる。

でも、そのひとつひとつは、おおごとだ。

そのたびごとに、ひとつひとつ、つらく、きついことだ。

 

私は、

「それはつらかったね、嫌だったね」

そして、

「あなたはそんなことをされていい人間じゃない」

と伝えたい。

 

私はあなたがそんな風に扱われることを受け入れられたくない。

 

だから娘よごめん、冒頭の、シンデレラごっこの件は、

「アカネちゃん妹がいるから…」って最初に言っちゃったのは、

共感を先に出すことが、ほんとは自分に染みついてはいないんだろうなあ。

 

たぶん、悲しいけど自分に染みついているのは、「あなたは完璧な人間なの?」って問う方の姿勢なんだよ。

 

でも、

”じゃあ、どうしたら(どう考えたら)いいのか”

”あなたにも改善できるところがあったかもね”

という内容に移っていくのは、その後の話でいいんだよね。

 

経験してないからわからないけど、

「つらかったね、嫌だったね」

「あなたはそんなことをされていい人間じゃない」

 と伝えたら、伝え続けたら、

ひとは、物事に立ち向かえない人間になるのだろうか?

逃げ続ける人間になるのだろうか?

 

でも、これは経験的にわかるんだけど、

私が育てたい、”健全な自尊心”が、

「あなたは完璧な人間なのか?」と問うことによって育つかは、

私ははなはだ懐疑的なのよ。

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